PReSM > Uncategorized > 結果にコミットしない
結果にコミットしない
2020.10.27

皆さんは採用に関して採用人数の目標設定をされているでしょうか?

結果にコミットの危険性

ボディメイクをサポートする某会員制プライベートジム。印象的なビフォーアフターの映像のCMともあいまって「結果にコミット(約束する・責任を持つ)する」というキャッチフレーズは、強く私たちの注意を引きます。

しかし、業務上の目標達成を考えた時、「結果にコミット」するのは危険です。もちろん、この会員制ジムのキャッチコピーとしての「結果にコミットする」という表現は文句なしに素晴らしいです。しかし、企業の目標達成においては、そうとも限りません。

なぜなら、結果に意識しすぎるあまり、そもそもその結果を出そうと思った理由と反する結果を導きかねないからです。結果を求めるには何らかの理由があり、その理由にそぐわない方法での結果発現には意味がないのです。

健康のために始めたダイエットで決めた体重を達成するために過度な食事制限をして栄養失調を起こして病院に運ばれるようなことがその例でしょう。

採用や育成面談などでも同じで、結果を意識すると逆効果になってしまうことがあるので要注意です。特に、目標を設定した人とそれを遂行する人が異なる場合は特に目的と結果の整合性チェックが求められます。

例えばこんな例がその一つでしょう。

採用人数10名必達!」という結果にコミット(約束・責任を持つ)してしまった場合、簡単に予測されるのが、

  • あまり社風に合っていない気がするけど合格にした
  • 説明会や面接の時に入社するよう誘導した
  • 求職者に嫌われないように必要以上に気を使った

などの本来ならばしないであろう対応をしてしまうことです。

このような形で入社した人は多くの場合ミスマッチや選考時のイメージと入社後のイメージのギャップなどで早期退職してしまいます。

事実を知る

では、この目標設定における本末転倒現象を防ぐにはどうすればいいでしょうか。

そのヒントになるのが、結果が出るには原因があるという事実を知る(再認識する)ことです。

もちろん世の中には偶然結果が出ることは多々あります。

しかし、私たちが業務上結果を出すというのは通常、狙った結果を意図して出すことを意味します。

再現性を持って結果を出そうと思えば、

  • 結果を導く原因を構成するものが何なのか分析し
  • その原因をもたらす最適な方法を選択し
  • その原因を結果として引き起こす行動を起こす

というプロセスを意識する必要があります。

例えば先述のプライベートジムでは「痩せる」という結果に対し

  1. 運動と食事を「痩せるという結果を導く原因の構成要素」とし
  2. 最適な運動の負荷や回数、食事の質や回数を研究し
  3. トレーナーのサポートや動機付けでこれらが継続出来る

仕組みを構築しているはずです。すなわち結果にコミットすると言いながら、その実、「原因にコミットする」環境を提供していると言い換えられるのかもしれません。では人事部は採用人数10人を達成するために、どのような原因にコミットすべきでしょうか?

採用のプロセス

採用のプロセスには大きく分け「母集団形成〜説明会開催〜面接〜内定〜入社

5つのプロセスがあります。

これさえ明確になれば、求める結果は10人の入社に対してやるべきとはとてもシンプルに決まってきます。

志望動機が高い母集団を作り、面接への参加率を上げる説明会を開き、離脱率を下げながら入社動機を上げる面接をし、内定後の離脱率を下げる施策を実行し、その結果の数を10にするだけです。

「そうは言っても・・・」という声が聞こえてきそうですが、実際問題として採用するということは、大きくこの4つの行動に集約・換言されるのです。

いや、それ以外に出来ることはないのです。

そして、この結果を導く為の原因となる行動として

「何」をするか?

そこを考えることが採用戦略を練るということになります。

自社の採用に至るまでのプロセスを見直し、どこにボトルネックがあるのか?

そのボトルネックを解消する原因となる施策は何なのか?

これを考え、実践しながら精度を高めていくことが結局は結果を導くことになるのです。

関連記事